こんにちは。
今年は私が看護師になって10年目の記念すべき年なので、私が看護師を目指そうと思ったきっかけについて皆さんにお話ししたいと思います。
母の一言
私は小さい頃、母によく「お母さんは小さい頃何になりたかったの?」と問いかけていました。
母は「看護婦さんになりたかったよ。」と毎回教えてくれました。
理由を聞くと、母の父(私の祖父)が体が弱く、よく入退院を繰り返しているのを見て、お父さんの力になりたいと思ったからだと言います。
その頃の私は看護師という仕事はよく知りませんでした。“病院でお医者さんのお手伝いをしている人”といったざっくりとしたイメージしか持っていなかったのですが、母の言葉を聞いて「看護婦さんってなんかかっこいいなぁ」って思ったのを覚えています。
同級生の死
小学校4年生くらいの時のこと。
先生から私たち児童に同級生が難病であることを知らされました。
彼女とはクラスも異なり、時々話をする程度でしたが、その知らせを聞いたときはかなりショックを受けました。
どんな病気だったかは詳しく知らされませんでしたが、「だんだん筋肉が動かなくなっていく病気で学校での生活が徐々に難しくなっていくから、みんな手伝ってあげるように…」と先生から言われたのを覚えています。
先生の言葉通り、彼女は日を追うごとにどんどん動けなくなっていきました。
歩けなくなり車椅子生活に。トイレが自分でできなくなり、話す言葉も不鮮明になり、変わって行く彼女の姿にショックを受ける日々でした。登校頻度も少なくなっていきましたが、学校にいる時の彼女はいつも笑っていて、たくさんの友達に囲まれていました。
私も何か彼女の役に立ちたい…そんな気持ちはありました。
でも何をしたらいいかわからない。自分には何もできない。そんな葛藤を繰り返しているうちに彼女は学校に来なくなりました。
ある日彼女の机に一輪の花が置かれました。
彼女は亡くなってしまいました。見ているだけで何もできなかった…悔しい気持ちと悲しい気持ちで心が潰されそうになりました。
この同級生の死を通して私の看護師になりたいという気持ちは強くなった気がします。
祖母の入院
これも確か小学生の時。
祖母が勤務先で転倒し入院しました。
足の骨を折る大怪我で手術が必要とのことでした。手術と聞いて、怖いイメージしかありませんでした。痛いんだろうなとか、血がたくさん出るんだろうなとか考えたら、祖母がかわいそうになりました。
お見舞いで祖母の入院している病院に行った時、祖母は無事手術を終えていて割と元気そうで安心したのを覚えています。
祖母の担当をしてくれた看護師さんが気さくな方で、私のような子どもの話もよく聞いてくれました。病院を案内してくれたり、手術室も見せてもらいました。「麻酔をして寝ている時に手術をするから痛みは感じないんだよ」とその時に教えてもらって、手術に対するイメージが少しだけ変わりました。
看護師さんがする仕事が新鮮でかっこよくて、お見舞いに行くたびに看護師さんの仕事をじっと見ていました。
1日看護体験
高校生の時、学校に貼ってあるポスターで「1日看護体験」というものを見つけました。
看護師になりたいと思っていた私はすぐに申し込みをし、都内の病院で1日看護体験をさせてもらいました。
憧れのナース服に身を包んだ時は、言葉に表せない感動がありました。
主にシャドーナースといって、看護師さんの後について、看護師さんの仕事の様子を見るといった内容でした。比較的落ち着いている病棟のようでしたが、看護師さんの仕事はたくさん。薬の準備をしたり、患者さんの血圧を測ったり、ナースコールに対応したり…。
本当にめまぐるしい1日で、私はただついて歩いているだけなのに、足がとても疲れました。
看護師さんの仕事って大変…と思いながらも、患者さんたちから信頼を寄せられる看護師さんを見て、「絶対に看護師になってたくさんの人の役に立ちたい!」と思うようになりました。
様々なきっかけが夢に
看護師という職業を知って、看護師の仕事内容を知って、どんどん看護師という仕事に惹かれていく自分がいました。
看護師になりたいという思いはいつからからか夢になり、その夢を叶えることができました。
決して楽しいだけの仕事ではありません。涙を流したことも何度もありますし、こんな仕事やめてやるって思ったことだってあります。
ただひとつぶれない思いは看護師であり続けたいということです。
こんな天職とも言える職業を目指すきっかけをくれた人たちに、今心から感謝の気持ちを伝えたいです。
そしてこれからも成長し続ける看護師でいることをここに誓います。
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